
不正駐輪・不正駐車取締の法的見解

不正駐輪・不正駐車の結果、土地の使用収益又は事業者による駐輪サービスが妨げられたことによる損害が発生した場合、加害者は被害者に対して損害賠償の責任を負うことになります。

最高裁判例(昭和40年12月7日最判・民集19巻9号2101頁)において、
一定の場合に自力救済が許容されるケースのあることが認められており、
当該最高裁判例を踏まえて、その後、複数の下級審裁判例で自力救済が肯定されています。
例えば、平成29年2月15日東京地判では、不正駐輪に関して
「被告は、原告が行ったと主張する自転車のタイヤロック、場内移動等はいわゆる自力救済行為であり、本件駐車場を利用できる状態にすれば足りるのであり、
それ以上の原告の行為(タイヤロック)については相当性を欠き認められないと主張する。
しかしながら、本件駐車場に自転車を停めていたためにそれを収去して保管した場合にそれにかかった費用を回収しようとすることには合理性があるから、かかる費用を含めて損害とすることは相当因果関係の範囲内というべきである。」
と判示されており、不正駐輪に対するタイヤロックの合法性が肯定された裁判例があります。
さらに、2022年2月4日付神奈川新聞等によれば、横浜地裁が、横浜地方裁判所の庁舎出口前に放置された乗用車を庁舎裏手の駐車スペースにレッカー移動したことが報じられています。